焼絵師・長登数久の作品を紹介
「焼き絵」とは 焦げあとの色の濃淡で表現する絵画作品の一種です。絵筆の代わりに焼きゴテやバーナーを使い、木・紙・革などに焼き込みます。欧米ではパイログラフィー(Pyrography)と呼ばれ、日本では木材に描くウッドバーニング(Wood Burning)の呼び名が特に知られています。同一素材でも焼きに差が生じるため、同じ作品は二つと出来ません。素朴なタッチが工芸品の手法として好まれてきましたが、「ファインアートの技法」としての可能性も無限に広がっています。
ステートメント
業務で覚えた3DCGソフトを使った作品を発表していたのですが、コンピュータによる絵画表現が広まった今、独自の表現方法を模索すべく焼き絵技法による作品づくりに転換しました。 一般的に油彩・水彩・版画などは基底材に色材をのせることで表現します。一方、ウッドバーニング(焼き絵)技法は木材を高熱にさらし、焦げあとの濃淡で表現します。つまりは基底材を少しずつ「焼き取り」ながら描くわけです。製材された木材とは言え、「樹木の年輪には宇宙の記憶がレコード(記録)されている」とのコンセプトを元に、記憶を画像として炙り出しています。木の板に潜在する画像をいかにして顕在化するか……私の追求すべき課題です。
◆ 木材を焼いて描いた絵画展
初個展は盛況のうちに終了いたしました。皆さまのご来場、有難うございました!